車庫証明申請書の申請者の住所は住民票(印鑑証明書)記載の住所

車庫証明申請書の申請者の住所欄に記入するのは住民票のある住所です。
住民票のある住所は印鑑証明書記載の住所と一緒になりますので、必然的に印鑑証明書の住所という事にもなります。

ただ大阪の場合は車庫証明申請の際に住民票も印鑑証明書も添付する必要がありません。
(行政書士等が代行する場合には、記入内容の確認の為にこれらの書類のコピーをお願いする事は多いです。)

つまり住民票を置いていない地域の住所を記載したところで、申請時に住民票などと照らし合わせて確認する事はありません。とはいえ「使用承諾書に記載された契約者の住所」とは見比べるので、全く虚偽の住所でもって申請する事はなかなか難しいでしょう。

仮に住民票のない住所でもって車庫証明を取得したとしても、そこから先の車の登録の手続きにおいて印鑑証明書が必要となりますので、そこで住所が食い違えばおかしな事になってしまいます。

従って、車庫証明の申請書に記載する申請者の住所は住民票(印鑑証明書)通りの記入をしなければならないのです。

またそれ以前の問題として、車庫証明申請において虚偽の申請をすると20万円以下の罰金が科せられますので意図的に事実と違う内容の申請をする事は認められません。

第17条 
次の各号のいずれかに該当する者は、3月以下の懲役又は20万円以下の罰金に処する。

  1. 第9条第1項の規定による公安委員会の命令に違反した者
  2. 第11条第1項の規定に違反して道路上の場所を使用した者

2 次の各号のいずれかに該当する者は、20万円以下の罰金に処する。

  1. 自動車の保管場所に関する虚偽の書面を提出し、又は警察署長に自動車の保管場所に関する虚偽の通知を行わせて、第4条第1項の規定による処分を受けた者
  2. 第11条第2項の規定に違反した者

引用~自動車の保管場所の確保等に関する法律17条~

住民票を置いていない住所で車庫証明を取得する事は可能

では住民票のない住所での車庫証明の取得及び車の登録ができないか?といえば、そんな事はありません。

「住民登録をしていないが現在住んでいる住所地」でも車庫証明の取得は可能です。なぜならば「住民票を置いている住所=実際に居住している住所」ではない、という事が現実的な話としてはどうしても存在してしまうからです。

ありがちなのは、単身赴任している場合や引っ越しを伴う転勤が多い為、住民票を移動させずに住む場所だけ変えているようなケースです。

こういった場合、「現実に居住している住所」を基準として申請などの手続きについて進めていく事になります。

考え方としては、法人名義の車の車庫証明を営業所の住所で取得する場合と同じです。

つまり申請書の「申請者の住所」欄に住民票(印鑑証明書)の住所、「使用の本拠の位置」欄に実際住んでいる場所の住所を記入するというわけです。また車庫証明が取得できる以上、住民票を置いていない住所地での車の登録も可能です。

※注)
住民基本台帳法の定めにより、転入をした場合は14日以内に市町村長に届け出なければなりません。同じ市町村内で転居した場合も同様です。

第22条
転入(新たに市町村の区域内に住所を定めることをいい、出生による場合を除く。以下この条及び第30条の46において同じ。)をした者は、転入をした日から14日以内に、次に掲げる事項(いずれの市町村においても住民基本台帳に記録されたことがない者にあつては、第1号から第5号まで及び第7号に掲げる事項)を市町村長に届け出なければならない。

  1. 氏名
  2. 住所
  3. 転入をした年月日
  4. 従前の住所
  5. 世帯主についてはその旨、世帯主でない者については世帯主の氏名及び世帯主との続柄
  6. 転入前の住民票コード(転入をした者につき直近に住民票の記載をした市町村長が、当該住民票に直近に記載した住民票コードをいう。)
  7. 国外から転入をした者その他政令で定める者については、前各号に掲げる事項のほか政令で定める事項

引用~住民基本台帳法22条(転入届)、23条(転居届)~

そしてこれらの届け出を期限内にしない場合には、5万円以下の過料が科される可能性があります。

第53条
第22条から第24条まで、第25条又は第30条の46から第30条の48までの規定による届出に関し虚偽の届出(第28条から第30条までの規定による付記を含む。)をした者は、他の法令の規定により刑を科すべき場合を除き、5万円以下の過料に処する。

2 正当な理由がなくて第22条から第24条まで、第25条又は第30条の46から第30条の48までの規定による届出をしない者は、5万円以下の過料に処する。

引用~住民基本台帳法53条~

車庫証明が取得できるかどうか以前の段階として、現在違う場所に住んでいるに関わらず住民票を移動させてない場合は、相当な理由がないかぎり罰則を受ける可能性がありますので注意しましょう。

住民票登録していない住所で車庫証明を取得が難しい地域もある

大阪の場合、上記のような仕事がらみの理由であれば、すんなり車庫証明申請を取得できる警察署が多いです。

しかし地域によっては相当の理由がない限り、住民票がない住所での車庫証明申請を受け付けてくれない所もあります。これは上述した通り、引っ越しをすれば住民票を移動させる事が本来は法律によって義務付けられているからです。

もし住民登録のない住所での車庫証明申請がダメだった場合は、素直に住民票の移動をしてから申請手続きを進める事が最善の方法となります。
またその後の登録手続きもありますので、一緒に印鑑登録も済ませておくと物事がスムーズに進みます。

住民票を置いていない住所で車庫証明を取得する際の必要書類

まずは基本的な車庫証明の申請書類が必要です。
さらにそれに加えて、実際に住んでいる場所を「使用の本拠の位置」として申請しますので、その住所地に現在住んでいる事を証明する書類が必要となります。

こちらも法人名義で車庫証明を取得する際の添付書類とほぼ同じです。

実際に住んでいる住所地での電気・ガス・水道などの公共料金の請求書か領収書を添付すれば大丈夫です。もちろんその書類には名前と住所が記載されている必要があります。

ただし、都道府県によってはこれだけでは済まず理由書のような書類も付けなければいけない所もあります。場所によって必要書類は変わってきますので、事前に管轄の警察署に確認しておきましょう。

またこの形で車庫証明を取得した場合、車を登録した際の車検証には、

「所有者の住所」  →印鑑証明書(住民票)の住所
「使用者の住所」  →印鑑証明書(住民票)の住所(***)
「使用の本拠の位置」→現在住んでいる住所

という形で記載されます(状況に応じて違う形の記載になる事もあります)。

いずれにしても、実際住んでいる住所地に住民登録を移しておいた方が役所での手続きにおいては何かとスムーズに進みます。よほどの事情がないかぎりは転居や転入の手続きを面倒がらずにしておく事をお勧めいたします。

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