新しく借りる駐車場の管理人さんと、契約や書類について話をしている時に
「車庫証明は取る予定ですか?必要なら使用承諾書を出しますよ」
こういう風に聞かれる事があります。
駐車場を新しく借りても、車庫証明がいらない場合があるのでしょうか?
これはもちろんあります。(厳密に言えば「変更届」がいらない)
駐車場を新しく借りても車庫証明が不必要な場合
まず大前提ですが、車庫証明が手続き上必要となるのは、車を買った、若しくは貰ったなどの理由で名義に登録・変更の事情が生じた時。
すでにいろんな手続きが済み、普通に乗っている状態の車には車庫証明が必要な場面はほぼありません。ただし、駐車場の場所が変更した時には車庫証明の「変更届」を出す必要があります。
つまり車を新しく購入する時だけでなく、現在所有している車の保管場所(駐車場など)を変更する場合にも、車庫証明の手続き(変更届)が必要となるという事です。
なお、これには「15日以内に」というルールがあります。
このことを踏まえていれば車庫証明の変更がいる・いらないの判断がしやすいかと思います。
例えば自宅とは別に事務所として部屋を借り、その近くの駐車場を契約する場合。
この場合には、自宅の駐車場で車庫証明をとっていれば、昼間事務所へ居る間、その近くの駐車場に止めることになったとしても新たに車庫証明をとる必要はありません。
また、病院や雑貨屋さんなどお客さまが多数来店される店舗を経営する時に、敷地内に駐車スペースがない為、近くの月極駐車場を「お客さま用駐車場」として何枠か契約する場合。
これらのケースでは元々車庫証明が不要なので、駐車場を借りる時に新たに届出などをする必要がありません。
変更届の手続をしなければならない場合
逆に、本来は変更届やもしくは車検証の登録内容の変更が必要なのに、その手続きが取られていないケースもあります。
ありがちなのが大学生の一人暮らし。
実家で車を購入し車庫証明もその時に取得しているので、そのまま何の手続きもしないまま、一人暮らしをはじめた先の駐車場へ、車を持って行ったような場合。
もしくは社会人でも、単身赴任で自宅とは違う場所で暮らす事になり、こちらも自宅で乗っていた車をそのまま持っていくような場合。
この2つのような場合には、本当は変更手続きをしなければなりません。
しかし圧倒的に、手続きをしていないケースの方が多いのが現状です。
では、変更手続きをせずに何か不都合はないのでしょうか?
実は法律上の話をのぞけば、特に不都合はありません。
その為ネット上の質問サイトなどをみれば、こういったケースの場合には「何の手続きもする必要がない」とまで言い切る人達までいます。しかも結構多数。
トラブルが起きたり、警察のお世話になったりしないのであれば、それらの意見は間違ってるとは言いきれない面もあります。
実際、何の届け出もせずに問題なく数年間過ごす人の方が多いわけですから。
ただし法律上の話は違います。
上でもちらっと触れていますが、駐車場等に変更が生じた時には15日以内に変更届を出さなければなりません。もしそれを怠ったときには罰金が科されます。
道路交通法(スピード違反など)の場合の「反則金」ではなく、保管場所法に基づく「罰金」です。
要するに前科がつくということです。
それを踏まえて実際どうするかは個人の自由ですが、こういったことを知識として知っておくのは大事な事だと思います。
ちなみにこういった場合、個人の罰則とは別に、車庫証明の変更手続きをしなければ以前の駐車場が非常に困ることになってしまいます。
変更届を出していなければ、以前に借りていた駐車場に新しく借り主が現れて新たに車庫証明を申請する時に、その駐車場に以前の車がまだ存在する事になってしまいます。そして同じ場所で2台分の車庫証明は取得できない為、そのままでは新しい申請が通らないという状態が生じるのです。
面倒でも色々な手続きは、まめに済ませておいた方がいいでしょう。