今まで、車庫証明の使用承諾書の代わりに駐車場の契約書のコピーを使うには、必ず契約書原本が必要と説明してきました。

ただしこれは大阪の警察署の場合です。
他府県(特に関東地方)では、契約書のコピーのみで原本がいらない場所も多いようです。

また、大阪でも全てにおいて必ず契約書原本が要求されるのかと言えばそうでもないケースもあります。

契約書の原本が不要だったケース

以前に体験した話。
依頼人は某県外のディーラーさんです。
申請書の提出先は東大阪の某警察署。

自動車の保管場所は月極駐車場。
使用承諾書としてその駐車場と申請者の契約書のコピーが送られてきました。

しかし契約書の原本がなかったので、念のため提出先の警察署へ確認の電話。
やはり原本とコピーと両方を窓口へ持ってきてくれなければ申請はできないとの回答でした。
そのままディーラーさんへ連絡し、原本について送付できるかどうか確認をお願いしました。

契約書のコピーを使用承諾書の代わりにする場合は、「使用承諾書の代わりに契約書のコピーを使う場合2」でも書いた通り、内容によっては使えない事もありますので注意しなければなりません。もし契約書の内容自体が使用承諾書として使えないものであった場合は、いくら原本を送ってもらっても無駄になってしまいます。

そこで、たまたまその日は提出先の警察署近辺へ行く用事があったということもあり、ついでに警察署によって契約書の中身についてだけ一度見てもらう事にしました。

遅い時間帯だったということもあり、警察署内が空いていたので順番待ちをすることなく窓口へ直行。行政書士であることを名乗り、簡単に事情を説明してから契約書のコピーの内容を確認してもらいます。

見てもらった結果、契約書の内容については特に問題なく、このままで使用承諾書の代わりに提出してもらって構わないということでした。

そこで一度書類を返してもらい、後日再び契約書の原本と一緒に提出しようと考えていると、窓口の係の人から

あと申請書と地図があるなら、今日申請してもらってもいいですよ。」という一言。

あれ?っと思い、契約書の原本がまだない事を再度伝えるも、それでもいいという返事でした。

よくよく聞いてみると、行政書士が代理で申請する場合には、使用承諾書の代わりに駐車場の契約書のコピーを使う場合であっても、契約書の原本なしで構わないとのこと。ただし、その行政書士が契約書の原本とコピーが相違ないという事に対し、責任を持つという条件付き。

結果的に契約書の原本なしで申請することが可能でした。

結局、警察署やその時の担当者によって扱いは違う様子。

毎度不思議な事ですが、事前に電話で問い合わせた時にはこんな説明はしてくれません。しかし実際に足を運んでみると、このように状況が変わる事があります。逆パターンもありえます。
(事前にいいと言われていたのに、実際窓口に行くとダメといわれる事も)

このあたりは結局どっちが正しいのか、判断の難しいところだと思います。

また、大阪の他の警察署では、行政書士が代理をしようが必ず契約書の原本が必要と言われるところもあります。というよりもほとんどがそうだと思っておいた方がいいでしょう。

ただ、中にはこういった事もあるんだなと覚えておくと何かの時のひとネタになって便利です。

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